SNS運用で使える分析指標一覧
SNSマーケティングが企業の重要な施策として定着する中、効果的な運用には適切な指標による分析が欠かせません。Instagram、TikTok、X(旧Twitter)、Facebookなど、各プラットフォームには独自の特徴があり、それぞれに注目すべき指標が存在します。今回は、SNS運用における重要な分析指標やKPIについて、実務経験を踏まえて詳しく解説していきます。

基本的な到達・認知指標
フォロワー数
最も基本的な指標の一つがフォロワー数です。ただし、単純な数値の増減だけでなく、以下の観点での分析が重要です:
- フォロワーの質(ターゲット層との適合性)
- 増加率の推移
- フォロワーの活性度
実際の運用では、フォロワー数の急激な増減があった際の要因分析が特に重要です。先日担当したアパレルブランドの事例では、セール告知投稿後にフォロワーが急増したものの、セール終了後に離脱するユーザーも目立ちました。このような変動を把握することで、より効果的な施策立案につなげることができます。
インプレッション数・リーチ数
投稿がどれだけの人々の目に触れたかを示す指標として、インプレッション数とリーチ数があります。
- インプレッション数:コンテンツが表示された総回数
- リーチ数:コンテンツを見たユニークユーザー数
この2つの指標を比較することで、同じユーザーが複数回コンテンツを見ているのか、それとも新規ユーザーへの露出が多いのかを判断できます。

エンゲージメント関連指標
エンゲージメント率
エンゲージメント率は、フォロワーがどれだけ投稿に反応しているかを示す重要な指標です。一般的な計算式は以下の通りです:
(いいね数+コメント数+シェア数)÷フォロワー数×100
プラットフォームごとの平均的なエンゲージメント率は以下のようになっています:
- Instagram:1-3%
- Facebook:0.5-1%
- X:0.2-0.8%
- TikTok:3-5%
ただし、これらは業界や企業規模によって大きく異なる可能性があります。
各アクション別の反応数
- いいね数:最も基本的な好感度指標
- コメント数:ユーザーとの対話度を示す
- シェア・リポスト数:コンテンツの拡散力を示す
- 保存数:特にInstagramでは重要な指標
コンバージョン関連指標
クリック率(CTR)
リンクのクリック数は、ユーザーの興味関心の強さを示す重要な指標です。特にビジネスアカウントでは、以下の項目を注視します:
- プロフィールリンクのクリック数
- 投稿内リンクのクリック数
- ストーリーズのスワイプアップ数(フォロワー1万人以上の場合)
コンバージョン率
最終的な成果に結びついた割合を示す指標です。例えば:
- 商品購入率
- 資料請求率
- 会員登録率
- 採用エントリー率

時間帯・曜日別分析
投稿のパフォーマンスを最大化するには、最適な投稿時間を把握することが重要です。以下の指標を時間帯・曜日別に分析します:
- フォロワーのアクティブ率
- エンゲージメント率の変動
- コンバージョン率の変化
プラットフォーム特有の指標
- ストーリーズの完走率
- リール動画の視聴継続率
- ショッピング機能の使用率
TikTok
- 動画完走率
- 音楽使用率
- トレンド参加率
X(旧Twitter)
- リツイート率
- 引用リツイート数
- インプレッション単価
- ページへの訪問数
- ページ上でのアクション数
- 投稿のバイラル係数
まとめ
SNS運用における分析指標は、単独で見るのではなく、複数の指標を組み合わせて総合的に評価することが重要です。また、数値の変化だけでなく、その背景にある要因を深く理解することで、より効果的な運用が可能になります。
定期的なレポーティングでは、これらの指標を活用しながら、以下のPDCAサイクルを回すことをお勧めします:
- 現状の数値を把握
- 課題の特定
- 改善施策の立案・実施
- 効果測定と次のアクションプラン作成
適切な指標選定と継続的な分析により、SNS運用の効果を最大化することができます。
介護経営総合研究所 代表 五十嵐太郎
名古屋大学経済学部を卒業後、株式会社リクルートにて通信事業、ブライダル事業、マーケティングに従事。
その後、民間介護会社、社会福祉法人にて大規模な経営改善を実現。2021年4月介護経営総合研究所を創業。
改善実績:採用コスト2,000万円削減、離職率5割削減、採用単価3万円で200人採用、人材紹介・人材派遣0
人材紹介会社費用の9割減、東京にて施設開設時に160人採用、利益率4倍、薬剤師応募を1時間で獲得、他多数。