ブランドメッセージを一貫させるためのSNS運用法
先日、あるアパレルブランドのSNS担当者と話す機会がありました。
「Instagram、Twitter、Facebook…それぞれのプラットフォームで違う人が担当していて、ブランドの統一感がバラバラになってしまうんです」
この悩み、とても多くの企業が抱えているのではないでしょうか。今回は、複数のSNSプラットフォームでブランドメッセージの一貫性を保つための具体的な方法をご紹介します。

なぜブランドメッセージの一貫性が重要なのか
消費者は様々な接点でブランドと出会います。その体験が一貫していないと、ブランドへの信頼性が低下してしまいます。あるプラットフォームではカジュアルな口調で、別のプラットフォームでは堅い表現を使用していては、ブランドのアイデンティティが定まりません。
実際、ブランドメッセージの一貫性を保っている企業は、そうでない企業と比べて:
- ブランド認知度が3.5倍高い
- 顧客ロイヤリティが23%高い
といったデータもあります。
ブランドメッセージ統一のための基礎作り
1. ブランドガイドラインの整備
まずは以下の要素を明確に定義します:
- ブランドの核となる価値観
- ターゲット顧客像
- コミュニケーションのトーン&マナー
- 使用する言葉の定義集
- 視覚的要素(ロゴ、カラー、フォント)の使用規則
2. コンテンツカレンダーの活用
月間・週間での投稿計画を立て、以下の項目を管理します:
- 投稿内容とテーマ
- 使用する写真・動画素材
- 投稿文案のトーン
- ハッシュタグ戦略
- 投稿時間帯

プラットフォーム別の最適化と一貫性の保持
ビジュアル重視のプラットフォームながら、ブランドの世界観を崩さないポイント:
- フィード全体での色調統一
- ストーリーズでのブランドカラー活用
- 一貫したフィルター使用
- テンプレート化されたデザイン要素
即時性が求められる中での一貫性維持のコツ:
- 返信時の定型文設定
- ブランドボイスを反映した絵文字使用
- リツイート基準の明確化
- 危機管理時の対応フロー
幅広い年齢層へのアプローチ方法:
- 投稿文の長さ基準
- シェアコンテンツの選定基準
- コメント対応ガイドライン
- 広告出稿時のトーン統一
実践的なブランドメッセージ統一術
1. クロスプラットフォーム展開のポイント
同じメッセージでも、プラットフォームごとの特性に合わせた展開が必要です:
Instagram:
- ビジュアルを主体に、文章は補足的に
- ストーリーズで裏側や過程を見せる
Twitter:
- 簡潔な表現でコアメッセージを伝える
- 時事的な話題との関連付け
Facebook:
- 詳細な情報提供
- コミュニティ形成を意識した展開
2. チーム内での意識統一
複数人で運用する際の重要ポイント:
- 週次ミーティングの実施
- 投稿前チェックリストの活用
- ナレッジ共有の仕組み化
- 定期的なブランド研修
3. クリエイティブ制作のシステム化
- テンプレートの作成と活用
- アセット管理の一元化
- 承認フローの明確化
- 素材の使用ガイドライン
効果測定と改善
1. 定期的なブランド監査
以下の項目をチェック:
- メッセージの一貫性
- ビジュアルの統一感
- エンゲージメントの質
- フォロワーの反応傾向
2. データ分析のポイント
注目すべき指標:
- ブランドメンション数
- センチメント分析
- リーチ数の変化
- エンゲージメント率の推移

よくある課題と解決策
1. 複数担当者での運用
- 共有カレンダーの活用
- レギュラー会議の設定
- マニュアルの整備
- 相互チェック体制の構築
2. プラットフォーム特性への対応
- プラットフォームごとの投稿基準
- 素材の最適化フロー
- 緊急時の対応フロー
- 共有すべき要素の明確化
まとめ:成功のための3つのキーポイント
- 明確なブランドガイドラインの整備
- チーム内での徹底した意識共有
- 継続的なモニタリングと改善
ブランドメッセージの一貫性維持は、一朝一夕には実現できません。しかし、本記事で紹介した要素を地道に実践することで、必ず成果につながります。
最後に、重要なのは完璧を目指すことではなく、ブランドの核となる価値観を守りながら、各プラットフォームの特性を活かした展開を心がけることです。すべてのSNSで画一的な投稿をするのではなく、プラットフォームごとの特性を理解した上で、ブランドの本質を損なわない範囲での柔軟な対応を目指していきましょう。
介護経営総合研究所 代表 五十嵐太郎
名古屋大学経済学部を卒業後、株式会社リクルートにて通信事業、ブライダル事業、マーケティングに従事。
その後、民間介護会社、社会福祉法人にて大規模な経営改善を実現。2021年4月介護経営総合研究所を創業。
改善実績:採用コスト2,000万円削減、離職率5割削減、採用単価3万円で200人採用、人材紹介・人材派遣0
人材紹介会社費用の9割減、東京にて施設開設時に160人採用、利益率4倍、薬剤師応募を1時間で獲得、他多数。