インフルエンサーとのコラボレーション成功事例
近年、SNSマーケティングの世界で欠かせない存在となったのが「インフルエンサー」です。Instagram、TikTok、X(旧Twitter)、Facebookなど、様々なプラットフォームで活躍する彼らとのコラボレーションは、多くの企業にとって魅力的な選択肢となっています。しかし、単にフォロワー数の多いインフルエンサーと組めば成功するわけではありません。
今回は、インフルエンサーとのコラボレーションで成功を収めた事例を紹介しながら、効果的な運用のポイントを探っていきましょう。

1. 化粧品ブランドA社のInstagramキャンペーン
A社は、新製品のファンデーションを発売するにあたり、20代〜30代の女性をターゲットにInstagramでのキャンペーンを展開しました。
成功のポイント:
- 複数のマイクロインフルエンサーを起用
- 実際の使用感や肌の変化を詳細にレビュー
- インフルエンサー独自の撮影スタイルを尊重
A社は、フォロワー数1万人〜5万人程度のマイクロインフルエンサー10名を起用。大物インフルエンサー1人に頼るのではなく、それぞれのコミュニティに根ざした影響力を持つ複数のインフルエンサーを選びました。
各インフルエンサーは、2週間にわたって製品を使用し、その間の肌の変化や使用感を細かく報告。「最初は少し重く感じたけど、使い続けるうちに肌になじんできて…」といった生々しい感想が、フォロワーの共感を呼びました。
また、A社はインフルエンサーたちに撮影や投稿のスタイルを細かく指定せず、各自の個性を活かした内容になるよう配慮。結果、バラエティに富んだ投稿が生まれ、多角的な製品アピールにつながりました。
このキャンペーンの結果、新製品の認知度が大幅に向上し、発売後1ヶ月の売上は前年同期比で150%を記録。さらに、A社の公式Instagramアカウントのフォロワー数も20%増加しました。

2. 旅行会社B社のTikTokチャレンジ
B社は、若年層の旅行需要喚起を目的に、TikTokでユーザー参加型のチャレンジを実施しました。
成功のポイント:
- トレンドを押さえた楽しいチャレンジ企画
- 複数のジャンルのインフルエンサーを起用
- ユーザー生成コンテンツ(UGC)の活用
B社は「#30秒で世界一周チャレンジ」と題し、自宅にある道具を使って30秒で世界一周旅行を表現する動画を募集。この企画を盛り上げるため、旅行系だけでなく、コメディ、ダンス、料理など、様々なジャンルのTikTokインフルエンサーを起用しました。
特に人気を集めたのが、240万フォロワーを持つコメディアンCさんの投稿。キッチンを舞台に、冷蔵庫をイグルー、シンクをナイアガラの滝に見立てた斬新な演出が話題を呼び、1週間で500万回以上再生されました。
チャレンジには一般ユーザーからも多数の投稿があり、中には10万いいねを超える人気動画も。B社は優秀作品の製作者に旅行券をプレゼントし、さらなる参加意欲を促しました。
この結果、キャンペーンハッシュタグの総視聴回数は2億回を突破。B社の公式TikTokアカウントのフォロワー数は3倍に増加し、Webサイトへのアクセス数も前月比で80%アップしました。

3. 食品メーカーC社のX(旧Twitter)プロモーション
C社は、新しい健康食品のプロモーションのため、X(旧Twitter)を活用したキャンペーンを展開しました。
成功のポイント:
- 専門家インフルエンサーとのコラボレーション
- リアルタイムな質疑応答セッションの実施
- ハッシュタグを活用した情報の拡散
C社は、栄養士や料理研究家など、健康食品に関する専門知識を持つインフルエンサー5名を起用。各インフルエンサーが製品の特徴や活用方法について、専門的な視点から情報を発信しました。
特に効果的だったのが、各インフルエンサーが実施した1時間の質疑応答セッション。フォロワーからの質問にリアルタイムで回答することで、製品への理解を深めると同時に、信頼性の向上にもつながりました。
また、「#健康的な朝食チャレンジ」というハッシュタグを設定し、インフルエンサーやユーザーが朝食メニューのアイデアを共有。C社の製品を使用したレシピが多数投稿され、自然な形で製品の活用方法が拡散されました。
このキャンペーンにより、C社の新製品に関するツイートのインプレッション数は合計で1000万回を超え、公式アカウントのフォロワー数も50%増加。オンラインショップの売上は前月比で2倍に伸びました。
まとめ:成功のカギは「適切なマッチング」と「自然な融合」
これらの事例から、インフルエンサーコラボレーションの成功には、以下の要素が重要であることがわかります:
- ターゲット層との適切なマッチング:単にフォロワー数だけでなく、ターゲットとする層に強い影響力を持つインフルエンサーを選ぶことが重要です。
- プラットフォームの特性を活かした企画:InstagramならビジュアルUGC、TikTokなら参加型チャレンジ、Xならリアルタイムコミュニケーションなど、各SNSの特徴を理解し、それを最大限活用する企画が効果的です。
- インフルエンサーの個性を尊重:細かな指示を出しすぎず、インフルエンサーの持ち味を活かした自然な投稿を促すことで、フォロワーの共感を得やすくなります。
- 継続的なエンゲージメント:一過性のキャンペーンではなく、長期的な関係性を構築することで、より深い信頼関係を築くことができます。
インフルエンサーマーケティングは、適切に運用することで非常に効果的なプロモーション手段となります。しかし、その成功は綿密な戦略と柔軟な対応にかかっています。トレンドや消費者ニーズの変化に常にアンテナを張り、臨機応変に戦略を調整していくことが、長期的な成功につながるでしょう。
介護経営総合研究所 代表 五十嵐太郎
名古屋大学経済学部を卒業後、株式会社リクルートにて通信事業、ブライダル事業、マーケティングに従事。
その後、民間介護会社、社会福祉法人にて大規模な経営改善を実現。2021年4月介護経営総合研究所を創業。
改善実績:採用コスト2,000万円削減、離職率5割削減、採用単価3万円で200人採用、人材紹介・人材派遣0
人材紹介会社費用の9割減、東京にて施設開設時に160人採用、利益率4倍、薬剤師応募を1時間で獲得、他多数。