サイト全体のクロール予算管理方法
はじめに
ウェブサイトの運営者にとって、検索エンジンからの訪問者を増やすことは重要な課題です。そのためには、検索エンジンのクローラーがサイトを効率よく巡回できるようにすることが不可欠です。この「クローラーの巡回」に関連する重要な概念が「クロール予算」です。
本記事では、クロール予算の基本的な概念から、その重要性、そして効果的な管理方法までを詳しく解説していきます。SEO対策に取り組む方々にとって、必読の内容となっていますので、ぜひ最後までお読みください。

クロール予算とは
クロール予算(Crawl Budget)とは、検索エンジンのクローラーがあるウェブサイトに割り当てる時間や労力のことを指します。簡単に言えば、「検索エンジンがあなたのサイトをどれだけ頻繁に、どれだけ深くクロールするか」を決定する要因です。
クロール予算は主に以下の2つの要素から構成されています:
- クロール頻度:クローラーがサイトを訪問する頻度
- クロール深度:クローラーがサイト内のページをどれだけ深く巡回するか
大規模なサイトや更新頻度の高いサイトでは、このクロール予算を効率的に管理することが、SEO成功の鍵を握ると言っても過言ではありません。
なぜクロール予算が重要なのか
- インデックス効率の向上
クロール予算を適切に管理することで、重要なページが確実にインデックスされる可能性が高まります。 - 新しいコンテンツの迅速な反映
クロール頻度が適切に設定されていれば、新しく公開したコンテンツがより早く検索結果に反映されます。 - サーバーリソースの最適化
過剰なクロールはサーバーに負荷をかけることがあります。クロール予算の管理は、サーバーリソースの効率的な利用にも貢献します。 - 検索エンジンとの良好な関係構築
適切なクロール予算管理は、検索エンジンとの良好な関係構築にもつながります。これは長期的なSEOの成功に寄与します。

クロール予算を管理する方法
では、具体的にどのようにしてクロール予算を管理すればよいのでしょうか。以下に、効果的な方法をいくつか紹介します。
- サイト構造の最適化
クローラーが効率よくサイトを巡回できるよう、サイト構造を最適化することが重要です。
- フラットな階層構造を心がける
- 内部リンクを適切に設置し、重要なページへの導線を確保する
- サイトマップを正確に作成し、定期的に更新する
- 低品質ページの処理
クロール予算を無駄遣いしないよう、低品質なページや重複コンテンツに対処することが必要です。
- 重複コンテンツにはcanonicalタグを適切に設定する
- 品質の低いページはnoindexタグを使用してクロールを制限する
- 不要なページは適切に削除またはリダイレクトを設定する
- robots.txtの最適化
robots.txtファイルを適切に設定することで、クローラーの動きをコントロールできます。
- クロールして欲しくないディレクトリやファイルを指定する
- クロール頻度の調整(Crawl-delay)を設定する
- 重要なページへのクロールを優先させる指示を記述する
- ページ読み込み速度の改善
ページの読み込み速度を改善することで、クローラーがより多くのページを効率的にクロールできるようになります。
- 画像の最適化
- JavaScriptやCSSの圧縮
- ブラウザキャッシュの活用
- CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)の利用
- 内部リンク構造の最適化
サイト内の重要なページに適切にリンクを張ることで、クローラーの巡回を効率化できます。
- メインナビゲーションからの適切なリンク設置
- 関連記事や人気記事へのリンクの挿入
- サイトマップページの作成と更新
- 定期的なログ分析
サーバーログを定期的に分析することで、クローラーの動きを把握し、問題点を発見できます。
- クロール頻度の変化を監視する
- クロールされていないページを特定する
- エラーページ(404など)を見つけ出し、対処する
- モバイルフレンドリーな設計
モバイルファーストインデックスの時代において、モバイルフレンドリーな設計はクロール予算の効率的な利用につながります。
- レスポンシブデザインの採用
- AMPの導入検討
- モバイル版とデスクトップ版の一致確認
- 新しいコンテンツの適切な告知
新しいコンテンツを公開した際、検索エンジンに迅速に知らせることで、クロール予算を効率的に使用できます。
- XMLサイトマップの即時更新
- Google Search Consoleでの URL インスぺクション機能の利用
- ソーシャルメディアでの共有

クロール予算管理の注意点
クロール予算を管理する際は、以下の点に注意しましょう。
- 過度な最適化を避ける
クローラーの動きを過度にコントロールしようとすると、かえって逆効果になる可能性があります。自然な巡回を妨げないよう注意しましょう。 - ユーザー体験を最優先する
クロール予算の最適化は重要ですが、それによってユーザー体験を損なわないよう注意が必要です。 - 定期的な見直しを行う
サイトの成長とともにクロール予算の管理方法も変化させる必要があります。定期的な見直しと調整を心がけましょう。 - 検索エンジンのガイドラインを遵守する
各検索エンジンが公開しているガイドラインを遵守し、不適切な最適化手法は避けましょう。
まとめ
クロール予算の適切な管理は、大規模サイトや頻繁に更新されるサイトにとって特に重要です。サイト構造の最適化、低品質ページの処理、robots.txtの適切な設定、ページ速度の改善など、様々な方法を組み合わせることで、効果的なクロール予算の管理が可能になります。
ただし、クロール予算の管理はSEO対策の一部に過ぎません。最終的には、ユーザーにとって価値のある高品質なコンテンツを提供し続けることが、SEO成功の鍵となります。クロール予算の管理と併せて、コンテンツの質の向上にも注力しましょう。
クロール予算の管理は一度行えば終わりというものではありません。サイトの成長に合わせて継続的に最適化を行い、検索エンジンとユーザー双方にとって価値あるサイトを目指しましょう。
介護経営総合研究所 代表 五十嵐太郎
名古屋大学経済学部を卒業後、株式会社リクルートにて通信事業、ブライダル事業、マーケティングに従事。
その後、民間介護会社、社会福祉法人にて大規模な経営改善を実現。2021年4月介護経営総合研究所を創業。
改善実績:採用コスト2,000万円削減、離職率5割削減、採用単価3万円で200人採用、人材紹介・人材派遣0
人材紹介会社費用の9割減、東京にて施設開設時に160人採用、利益率4倍、薬剤師応募を1時間で獲得、他多数。