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  • 2025年のSNS採用市場予測:日本企業の戦略的アプローチ

昨今の採用市場において、SNSを活用した採用活動(SNSリクルーティング)は、もはや選択肢ではなく必須の戦略となっています。本記事では、2025年に向けたSNS採用市場の動向を分析し、各業界における具体的な成功事例をご紹介します。

SNS採用、普及率は年々上昇

人材採用のデジタルシフトが加速する中、国内企業におけるSNS採用の導入率は着実な上昇を続けています。人材マネジメント協会の最新調査によると、2023年時点で従業員500名以上の企業における導入率は78%に達し、2025年には実に90%を超えると予測されています。

特に注目すべきは、中小企業におけるSNS採用の急速な普及です。2022年時点で45%だった導入率は、2024年には65%まで上昇。この背景には、採用コストの効率化とターゲット層への直接的なリーチが可能という利点が挙げられます。

プラットフォーム別の活用傾向

各SNSプラットフォームの特性を活かした採用戦略が、企業規模や業界を問わず展開されています。

Instagram

写真や動画を通じて企業文化や職場の雰囲気を視覚的に伝えることに長けています。特に、クリエイティブ業界や小売業では、社員の日常や職場環境の投稿が、応募検討者の興味を引くことに成功しています。#社員の一日 や #社内文化 といったハッシュタグを効果的に活用することで、企業のブランディングと採用活動を自然に結びつけています。

TikTok

若年層へのリーチに特化したプラットフォームとして、急速に存在感を増しています。15〜30秒の短尺動画で企業の魅力を伝えるスタイルは、特にZ世代からの支持を集めています。職種紹介や社員インタビューを、トレンド音楽やエフェクトを活用して印象的に表現する企業が増加しています。

X(旧Twitter)

リアルタイムでの情報発信と双方向のコミュニケーションが特徴です。採用情報の発信だけでなく、業界動向や専門知識の共有を通じて、専門職やミドルキャリア層とのエンゲージメント構築に成功している企業が目立ちます。

Facebook

詳細な企業情報や採用情報を体系的に発信できるプラットフォームとして、特に中堅・大企業での活用が進んでいます。キャリアイベントの告知や社員インタビュー記事の配信など、多様なコンテンツ展開が可能です。

業界別の成功事例

IT・テクノロジー業界

株式会社テックイノベーション(仮名)では、エンジニアの採用にInstagramとTikTokを組み合わせた戦略を展開。社内の技術勉強会の様子や、最新技術を活用したプロジェクトの裏側を定期的に発信することで、応募者の技術的な興味を刺激することに成功しています。結果として、2023年度の技術職応募者数は前年比180%増を記録しました。

小売・サービス業

全国展開する某コスメチェーンでは、店舗スタッフによるTikTok動画制作を奨励。商品知識の共有や接客シーンの紹介を、スタッフ自身が楽しみながら発信することで、アルバイトからキャリア採用まで幅広い層からの応募につながっています。

製造業

従来型のイメージが強い製造業でも、SNSを活用した採用活動が実を結んでいます。大手自動車部品メーカーA社では、工場見学や製品開発の過程をInstagramのリール機能で公開。若手エンジニアの活躍シーンを積極的に発信することで、新卒応募者の質・量ともに向上を実現しています。

2025年に向けた展望と課題

SNS採用市場は今後も拡大が予想されますが、単なる情報発信の場からエンゲージメント構築の場へと、その役割は進化していくと考えられます。

特に注目すべき点として以下が挙げられます:

  1. 動画コンテンツの重要性の更なる高まり
  2. AIを活用したターゲティングの精緻化
  3. オンライン採用イベントとSNSの連携強化
  4. 従業員による自発的な情報発信の活性化

一方で、プラットフォームの特性理解や、継続的なコンテンツ制作リソースの確保、個人情報保護への配慮など、解決すべき課題も存在します。

まとめ

2025年に向けて、SNSを活用した採用活動はさらなる進化を遂げることが予想されます。成功のカギは、各プラットフォームの特性を理解し、自社の採用ターゲットに最適なアプローチを選択することにあります。また、単なる求人情報の発信にとどまらず、企業文化や価値観を効果的に伝えることで、より質の高いマッチングを実現することが可能となるでしょう。

SNS採用は、もはやトレンドではなく、企業の採用戦略における基盤的要素となっています。今後は、より戦略的かつ創造的なアプローチが求められる時代となることでしょう。

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介護経営総合研究所 代表 五十嵐太郎
名古屋大学経済学部を卒業後、株式会社リクルートにて通信事業、ブライダル事業、マーケティングに従事。
その後、民間介護会社、社会福祉法人にて大規模な経営改善を実現。2021年4月介護経営総合研究所を創業。
改善実績:採用コスト2,000万円削減、離職率5割削減、採用単価3万円で200人採用、人材紹介・人材派遣0
人材紹介会社費用の9割減、東京にて施設開設時に160人採用、利益率4倍、薬剤師応募を1時間で獲得、他多数。

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